テイルズオブテイルズ シーズン2ピンボール

価値(zhi)創出型ビジネスへの挑戦

SCSK × 三井住友海上

"正しい"共創が生んだ
「エフクリ」「人生100年ラウンジ」

Right Person(ライトパーソン)――。
「正しい人(=想いを持って受け止める人、志ある人)」の存在が、オープンイノベーションの成(cheng)功の欠(qian)かせぬポイントだという。

なぜか?
答えは2022年4月、SCSKと三井住友海上が開発からわずか1年強でローンチさせた、職域(yu)向け資産形(xing)成プラットフォーム『エフクリ』&『人生100年ラウンジ』の軌跡から、垣間見られる。

人(ren)生100年時代を迎えて、資産形成に不(bu)安を持つ多くの個人(ren)ユーザーの課題を解決。そして異業種による共(gong)創の大いなるヒントにもなる2社(she)の取(qu)り組(zu)み。

7人の中(zhong)心(xin)メンバーの物(wu)語(yu)から、ひもとく。

給与体系、人事制度、退職金制度…。
会社員に寄り添って運用をアシスト

金融事業グループ統括本部 DX事業化推進部長 福田 裕一
金融事業グループ統括本部
DX事業化推進部長
福田 裕一

「人生100年時代」と言われて久しい。
医療の進歩などで平均寿命も健康寿命も伸び続(xu)けているからだ。

もっとも、長(chang)寿(shou)化(hua)は"おカネの心(xin)配"も長(chang)引かせた。金融庁も「老後には2,000万円(yuan)が必要」と警鐘を鳴(ming)らす。安心(xin)して100年生きるため、個(ge)人資(zi)産をいかに増やすか。今や誰しもの命題である。

「それを解決するために、我(wo)々がつくったのが『エフクリ』と『人生100年(nian)ラウンジ』なんですよ」とSCSK金融事(shi)業(ye)グループ統括本(ben)部 DX事(shi)業(ye)化(hua)推進(jin)部長の福田裕(yu)一は言う。

"我(wo)々"とは、SCSKだけを指(zhi)すのではない。

SCSK × 三(san)井住(zhu)友海上。

『エフクリ』『人生100年(nian)ラウンジ』は、畑の異(yi)なる両社が共創によって生み出した職(zhi)域向け金融仲介プラットフォームだ。

導入企(qi)業の社員(yuan)は個人の収(shou)入や世帯構(gou)成などを反(fan)映させ、生涯収(shou)支を予測した最適な資産運用を提(ti)案される。プラットフォームに載るのは三井住友海(hai)上だけではなく、多種多様な各社の金融商品。AIシミュレーションも使い、運用法をレコメンドされるのも特(te)徴だ。

もっとも、そこまでなら他(ta)社にもすでに似たサービスがある。

ユニークなのは、導入企(qi)業(ye)ごとに違う人事(shi)制(zhi)度(du)や給与(yu)体(ti)系、退職金(jin)や年金(jin)制(zhi)度(du)までの緻密な「社内(nei)データ」を反映させることだ。

個(ge)人(ren)からみると、リアルなライフプランを組み立てられ、人(ren)生100年時(shi)代の安心に直結(jie)する。企業からみると分厚い福利(li)厚生の一環となり、良い人(ren)材の確保(bao)にもつなげられるわけだ。

高度なITの知(zhi)見(jian)だけではなく、金(jin)融(rong)知(zhi)識、さらに多くの企業が認(ren)める信(xin)用がなければ生まれ得(de)なかったシステムといえる。

「エフクリ」「100年ラウンジ」
サービスイメージ

エフクリ・人生100年ラウンジのサービスイメージ
三井住友海上 個人金融サービス部 企画チーム 課長代理 大平 拡 氏
三井住友海上 個人金融サービス部
企画チーム 課長代理 大平 拡 氏

「だからこそ、SCSKと私たちは共創(chuang)させてもらった。三井住友海上一社、あるいは別のパートナーとつくったのなら、とても1年という短期(qi)間にローンチなどできなかった」。そう振り返るのは、三井住友海上 個人金融(rong)サービス部 企画(hua)チーム 課長代理の大平拡(kuo)氏だ。


MS&ADホールディングス デジタルイノベーション部 イノベーション室 課長 鈴木 智洋 氏
MS&ADホールディングス デジタルイノベーション部
イノベーション室 課長
鈴木 智洋 氏

「本(ben)当にそう思う。"ライトパーソン"でしたよね」と、同じく三井住友海上(shang)サイド。MS&ADホールディングス デジタルイノベーション部(bu) イノベーション室 課長の鈴木智洋氏は言葉をつなげた。

「ライトパーソンは直(zhi)訳(yi)すると"正しい人"ですが、想いを持って組織や既存(cun)の枠組みを超えて挑戦(zhan)する"志ある人"の意味で使(shi)う。オープンイノベーションには、そんなライトパーソンが不可欠。勝因はそんなライトパーソンが集まる座組ができたこと、それに尽きます」(鈴(ling)木氏)

Plug and Play にて Plug and Play にて
 

シリコンバレーでの出会いと
以前からあった「DNA」

共(gong)創の着火点は4年前、シリコンバレーだった。

2018年から2019年にかけて、福田は米国シリコンバレーに毎月のように出向いていた。

「SCSKはシリコンバレーにある有名なインキュベーション施設『Plug and Play』にブースがあった。会社(she)として『新(xin)たなビジネスモデル、サービスのタネを探す』というミッションがあり、現地に入っていました」(福田)

福田(tian)はとにかく自(zi)由(you)に動き回(hui)ったという。

Plug and Play内を積極的に歩いて回り、ランチは必ず誰かと一緒。現地のスタートアップ企業や異業種の方をつかまえては、フィンテックやビジネスモデルのアイデアを聞き入った。週(zhou)末も同(tong)様(yang)。自宅(zhai)のアパートにあったテニスコートに誘い、友人を増(zeng)やした。

「『やっぱりSCSKは違うな』って思いましたよね」

そう明かすのは、前出の鈴木氏(shi)だ。

すでに2017年から米国に駐(zhu)在。子会社(she)のCVC立ち上げと運営(ying)のため、Plug and Playに出入(ru)りしていた。そこで福(fu)田と意気投合。一緒に食事(shi)しながら情報交換したり、フランクに仕(shi)事(shi)の相談もできる仲になった。

「シリコンバレーに来ても日本企業の担(dan)当(dang)者は、自(zi)分の知(zhi)り合いとだけつるむ方(fang)も少(shao)なくない。けれど、福田さんはどんどん友(you)達(da)を増やしていましたからね(笑)。実はSCSKさんとは個人(ren)的にはずっと前からシンパシーがあって」(鈴(ling)木氏)

2010年頃、三井住友海上でIT企画部門にいた鈴木は、当時、立ち上がりはじめていたクラウドに注目。出始めたAzureなどを触り、可能性を感じていた。しかしITベンダーに声をかけ「保険業界でのクラウド活用について論議したい」とアプローチしても、ほとんどが「まだ早い」「金融機関では難しい」と、慎重な反応。ただ一社、SCSKだけ「面白いですよね」と前向きに相談にのり、他社に先んじたクラウドサービスの紹介までしてくれたという。
話を受け、福(fu)田が答(da)える。

「SCSKは最大手などと比べれば、まだ規(gui)模は小さい。新しいことに貪(tan)欲にチャレンジしていかなければ、溺れてしまうような意識はもともと強かった。また個(ge)人的にはシリコンバレーで鈴木さんとも仲良くさせていただいて、なおさら『外に出なければ』と思いが強まりました」(福(fu)田)

思いは1年後、東京で芽吹く。

 

「お前は営業を敵に回す気か?」。
箸にも棒にもかからなかったアイディア

一つのスマホアプリにグループ会社および競合他(ta)社の金融サービス・商品がスマホにフラットに並び、ユーザーが自(zi)由に選べ、気(qi)軽(qing)に自(zi)分(fen)にあった金融サービスの利用ができる――。

2019年、今回の資産形成プラットフォームにつながるような企画を、三井住友海(hai)上社内に提案したのが、前(qian)出の大(da)平氏だった。

2018年に米国現(xian)(xian)(xian)地(di)の資(zi)産運(yun)用(yong)実(shi)務を学(xue)ぶための海外研(yan)修(xiu)として、渡(du)米。2019年に新規(gui)事業を求めてシリコンバレーに出張し出会った鈴木(mu)氏や現(xian)(xian)(xian)地(di)のオープンでフラットな空(kong)気に感(gan)(gan)化されていた。現(xian)(xian)(xian)地(di)にて先述のフラットに金融商品を選べる、真にカスタマーファーストな金融サービスの存在に感(gan)(gan)動(dong)した。「これを日本のユーザーにも!」と会社(she)に提案した。

ところが、だ。

「正論だけど実現性(xing)がない」「うちは金(jin)融本(ben)丸の銀行ではなく保(bao)険会社(she)だよ」「ただ競(jing)合の営業(ye)をするだけでしょ」「営業(ye)を敵に回す気(qi)?」。最初(chu)は散々の言われようだったという。

大(da)平(ping)氏は少し声(sheng)を大(da)きめにして言う。

「『その考(kao)え、古いんじゃないですか?』とまた正(zheng)論をぶつけていましたけどね。僕は幼少期から、正(zheng)論を振りかざして敵をつくるタイプだったので(笑)。2019年当時は、若手(shou)の戯言(yan)のように流され企画は流れてしまった。ただ1年後(hou)、風向きが変わったのです」(大平氏)

そもそも損保業(ye)界はどこも人口減などから、新(xin)たな収益源となるようなサービスを模索(suo)していた。さらに金(jin)融(rong)庁による「老後資(zi)金(jin)2,000万円が必要」といった報(bao)告書が話題になった。個(ge)人向けの金(jin)融(rong)サービスのニーズが、これまで以上(shang)に高(gao)まり、機が熟(shu)した。自社の新(xin)たな魅力(li)的な金(jin)融(rong)サービスとして、大平氏(shi)(shi)が起(qi)案した金(jin)融(rong)サービスをワンストップで利用(yong)できるプラットフォームの企画(hua)がようやく日の目を見た。こうして、消(xiao)え去っていた大平氏(shi)(shi)の企画(hua)は新(xin)規事(shi)業(ye)として立ち上(shang)がった『人生100年ラウンジ(職域向け総合金(jin)融(rong)サービス)』に活かされる、運びに。

三井住友海上 個人金融サービス部 個人融資チーム 課長 岩井 和範 氏
三井住友海上 個人金融サービス部
個人融資チーム 課長 岩井 和範 氏

「ただ、そこからも問題は山(shan)積みでね」と言うのは三井(jing)住(zhu)友海上 個(ge)(ge)人金融(rong)サービス部 個(ge)(ge)人融(rong)資チーム 課長の岩井(jing)和範氏だ。かつて社内システムを手掛(gua)け、資産(chan)運用とITシステムの両(liang)方に明るい稀有(you)なキャリア。大平(ping)氏は「正(zheng)論だけぶつけがちな自分と上をうまくつなげてくれる不可欠なプロフェッショナル」だとも評す。

「ただ、その"上"が、『システムは社(she)内で、低予(yu)算で作(zuo)る』という方(fang)針だったのです」(岩井氏)

しかし職(zhi)域で販(fan)売するとはいえ、ユーザーはあくまで個人。UI/UX含めて完(wan)成(cheng)度の高いシステムでなければ立ち行かない。低(di)予算かつプロジェクトに係(xi)わる人的(de)リソース、保守メンテナンス等(deng)の負(fu)担を鑑み「自社だけでできるはずがない!このままでは後世の負(fu)の遺(yi)産になりかねない!」と確信(xin)のあった大平氏は海(hai)外を含む複数(shu)のベンチャー企業等(deng)にコンセプトだけ説(shuo)明し「一緒に開発しないか」と打診するも、「そんなもの流行る訳がない」「コンサルとしてお金を出してくれるなら手伝っても良(liang)い」とそもそも共(gong)創という発想に行きつかず、手詰(jie)まりを感じていた。

途方にくれた大平氏(shi)の援軍となったのが、鈴木氏(shi)だった。2020年に任期を終え、シリコンバレーから帰国。久しぶりに再(zai)会した大平氏(shi)からプロジェクトに必要なのは同じ目標を持つ仲間を見(jian)つけるべきとの話を聞き、即(ji)答したという。

「『SCSKならやれるんじゃない』と。あそこは違うと知っていましたからね」(鈴(ling)木氏(shi))

『ちょっと会わせたい人がいるんですよ』

ある日福田が、鈴木氏からのメッセージを受け取った。あくまでもカジュアルでフレンドリー。シリコンバレースタイルでの共創への誘(you)いだった。

それぞれの場所から、
「同じ山」を登っていた

金融事業グループ統括本部 DX事業化推進部 東野 和彦
金融事業グループ統括本部
DX事業化推進部
東野 和彦

2020年12月18日。コロナ禍(huo)もあって、オンラインミーティングだった。三(san)井住友海(hai)上側は鈴木(mu)氏に大平氏、そして岩井氏の3名。SCSK側は福(fu)田に加(jia)えて、同(tong)じDX事業化推(tui)進部(bu)の東野和(he)彦(yan)が同(tong)席した。以前、RPAビジネスの立ち上げなども手掛けてきた東野は、新(xin)たな挑戦にふさわしい、とアサインされた。

「ただ正直、想像以上(shang)の話で驚きましたよね」(東野)

職域向けの資産形(xing)成(cheng)プラットフォーム『人(ren)生(sheng)100年(nian)ラウンジ』をつくりたい。そのために、SCSKと組みたい――。

三井住友海上の3名からの言葉はすべて真っ直ぐに響いた。

「いい話ですね」「おもしろい!」。DNAがそうさせるのか、挑戦に対(dui)して前(qian)のめりなマインドセットを、福田も東野も垣間(jian)見せた。

しかし答えは保留した。

「実はSCSK側、我々もまったく同じサービスの立(li)ち上げを準備(bei)しはじめていたんですよ。『うわ…競合になる!』とその意味で心底驚いていた(笑)」(福田)

『エフクリ』の事業開(kai)発責任者である金融システム第三(san)事業本部(bu)(bu) 本部(bu)(bu)長付 江藤文昭が言う。

「SCSKには、単なるSlerを脱し、事業(ye)(ye)のサービス化を進(jin)めるという大きな命題があった。金(jin)融事業(ye)(ye)グループがそれをするならば、それこそアメリカでは主流である資産(chan)運用のプラットフォームサービスを実(shi)現できれば価値があると考えた。導入する企業(ye)(ye)にはすでに保(bao)険はもちろん、証券、銀(yin)行と数多くの金(jin)融関(guan)係(xi)の企業(ye)(ye)もいる。中立な立場ですべての金(jin)融商品を紹介できるサービスを作りたい、と『エフクリ』の準備(bei)をすでに進(jin)めていましたからね」(江藤)

金融システム第三事業本部 本部長付 江藤 文昭
金融システム第三事業本部 本部長付
江藤 文昭

サービス名の『エフクリ』とはFuture(未来)やFortune(財産(chan))などの「F(エフ)」と「福利」をあわせてつくった造語(yu)だ。冒頭から同(tong)じサービスを『エフクリ』『人生100年ラウンジ』と併記しているのはSCSKと三井(jing)住友海上(shang)の2社が偶(ou)然、同(tong)じサービスを考(kao)えていから。

別(bie)の道(dao)から、同じ山を登っていたわけだ。

「だから、すぐに『共創を!』とはならなかったのです」(江(jiang)藤(teng))

金(jin)融各社に参画してもらうプラットフォーマーになるならば、三(san)井住友(you)海上(shang)のような巨大(da)な金(jin)融系(xi)機関と組むことは、一社の"色(se)"がつきかねない。またパワーバランスからも「いいように取り込まれるのではないか」との危惧もあった。

それでも、2021年のはじめに、江藤は共創に舵を切る。

理由はいくつかあった。

「やはり我々はITには強いけれど金(jin)融に関しては三井住友海(hai)上(shang)の皆(jie)さんが図抜(ba)けて知見(jian)がある。事前に座組とビジネスモデルを協議して進めれば、SCSK単体よりいいサービスを社会(hui)に提供できるのは目に見(jian)えて明らかでした。それに最も大きいのは……大平さんが、真(zhen)っ直ぐ"正論(lun)"を言(yan)ってくれたことですね」(江(jiang)藤)

インタビュー中の写真

何度も言い合いを重ねながら、
ビジョンと志も、重ね続けた

何度(du)目かの両社のミーティングで、画面越しに大平氏(shi)は明言した。

『サービスにはうちだけじゃない、他の金融機関のサービスもフラットに並べたい。ユーザーの方(fang)々のことを考えたらそうあるべきだ』

「本気の志を感じた。あの言(yan)葉をしっかりといただいたことで、これは一緒(xu)にやるべきだと意(yi)思が固まりました」(江藤)

もちろん共創(chuang)のゴーサインを得るまで、裏では苦労(lao)もあった。

三井住友(you)海上側は大きく3つ。

1つ目は「やはり他(ta)社の商品を扱うのはどうか」との声があったことだ。これは大(da)平(ping)氏が声を大(da)にして説(shuo)得したという。

「しつこいくらいに『皆(jie)さんは家族や友達に当社の商(shang)品(pin)だけを紹介するのですか?そんなことをしていたら全(quan)く信(xin)用されないし、誰も当社の商(shang)品(pin)は選んでくれない。その人(ren)に合(he)った複数の選択肢を提(ti)示するのでは?その中に当社商(shang)品(pin)があれば『こんないい提(ti)案(an)をしてくれたんだから』と結果的に当社の商(shang)品(pin)を選んでくれる。金融商(shang)品(pin)は差が大(da)きくないからこそ、フラットな提(ti)案(an)で顧客との信(xin)頼関係を大(da)事(shi)にしなきゃいけないのでは?』と。カスタマーファーストの意思(si)を伝え続けました」

得意の"正論"が、ユーザー目線を手に入れて力強さを増(zeng)した。

2つ目は「システムの権利をどちら側が持(chi)(chi)つか」という綱引きだ。自社の持(chi)(chi)ち物にしたい気(qi)持(chi)(chi)ちが強かったが、大平(ping)氏や岩(yan)井氏は明確(que)に「そこにこだわる必要はない」との見(jian)解だった。

「保守管理はどう考(kao)えても我々では難(nan)しい。餅は餅屋でSCSKさんにお願いするのだから、むしろシステム面は渡して、それ以外の部分(fen)でのサービスの磨(mo)き上(shang)げやアップデートに尽力するのが美しいと考(kao)えました」(岩井氏)

結局、サービスのベースがSCSKの『エフクリ』、三井住友海上はそのOEMとして『人生100年(nian)ラウンジ』がある座組となった。

その分、システム開発(fa)はすべてSCSKが負担(dan)。ただし金融面(mian)(mian)の作(zuo)り込みは全面(mian)(mian)的(de)に三井(jing)住(zhu)友海上の知見が活かされているため、『エフクリ』の売上フィーは事(shi)前に決められた配(pei)分で、三井(jing)住(zhu)友海上にも入るレベニューシェア型の契約となった。

3つ目は「新(xin)規事(shi)業にリソースを割いてくれる仲間が見(jian)つけにくかった」ことだ。新(xin)規事(shi)業ではよくあることだが、既存事(shi)業を進(jin)めながら、新(xin)しい取り組みに挑む必要(yao)があるからだ。

もっとも、ここで頼りになったのが、昨年から三(san)井住友海上 個(ge)人金融サービス部の企画チーム長(chang)に就任(ren)した林慎一郎氏だった。

三井住友海上 個人金融サービス部 次長 兼 企画チーム長 林 慎一郎 氏
三井住友海上 個人金融サービス部
次長 兼 企画チーム長
林 慎一郎 氏

資産(chan)運用部門を16年(nian)経(jing)たのち、経(jing)産(chan)省に出向。その後、広(guang)報部などを経(jing)た林氏(shi)は「スタートアップ的なビジネスマインド」と「社内外をどう巻(juan)き込むか」両(liang)方の勘どころを熟知した、唯一無二の人材だった。

「大平さんは当(dang)初、真正(zheng)面から周囲に『新規事(shi)(shi)(shi)業を皆が手伝うべき』『もっと協力してほしい!』と言(yan)っていました。一方、限られたリソースを活用(yong)するという制約と、確実に事(shi)(shi)(shi)業化を図(tu)るというミッションを同時実現させるためには、社内外の理解(jie)や協力を得ることが不可欠です。そういった点では、私の経験や人脈などを活かすことで、スムーズな事(shi)(shi)(shi)業化に向け多少は貢(gong)献(xian)できたのではないかと思います。」(林氏)

SCSK側も、むしろ裏側、自分たちの社内調整に苦労したという。

『やはり単独でやったほうがいいのではないか』との声が根強かったからだ。

江藤が、動いた。

「『いや。三(san)井住友海上との共創でなければ、質(zhi)もスピードも担保できません。絶対に共創の形は作れます。やらせていただきます!』と役員にタンカを切って進(jin)めましたね(笑)」(江藤)

実は江(jiang)藤はこの悶着から一度プロジェクトから外されたが、すぐ返り咲き。その心意気に、チームの士気は上がったという。

「江藤さんの男気のおかげで、プロジェクトのギアが確(que)実に上(shang)がりました。ビジネスモデルやテクノロジーも大切ですが、やっぱり情熱みたいなものが人を動かすのだなと実感しました」(福田)

頷きながら、東野はもうひとりの熱い男について語(yu)った。

「両社の窓口(kou)は、私と大(da)平さんで行(xing)ったのですが、まあ……頻繁にいつもガンガンにやりあう感じでした(笑)。毎(mei)回、どんなに話(hua)がモメたとしても、最後は『世の中にいいサービスを届けましょう』という言(yan)葉で締める。グッときたし、気持ちを奮い立たせてくれました」(東(dong)野)

出(chu)自もカルチャーも、理念やパーパスも違(wei)う会社同(tong)(tong)士(shi)が、同(tong)(tong)じ方向を向いて並走(zou)する。何(he)もかもが違(wei)う共創という場だからこそ、愚直なほどにビジョンを口(kou)にし、高い志を共有(you)する。いわば「正(zheng)論」を掲げ合う作業が大事(shi)だったのだろう。それがSCSK×三井住友海上(shang)の共創の"熱(re)"になったわけだ。

そして熱は、伝播(bo)するものだ。

サービスができる前に
「導入したい」企業が現れたワケ

『エフクリ』『人(ren)生100年ラウンジ』は三井住友海上の社(she)員に向けて実(shi)証実(shi)験(yan)をしながら、サービスを磨き上げたのち、実(shi)装された。

「共創が決まってから1年強、2022年4月にローンチしました」(岩井氏)

注目すべきは、実証実験(yan)も始(shi)まっていない2021年秋から、導(dao)(dao)入したいと打(da)診した企(qi)業がいたことだ。大平氏が営業職の同期にプロジェクトについて話すと「そんな保険以外(wai)の切り口(kou)で提案できるサービスを待っていた」とすぐに取(qu)引先へ。当時は何の実体もなかったのでプレゼン資料(liao)だけをもって、「顧客に対しフラットな金融サービスを提供したい」と事(shi)業コンセプトを話すと、まさに熱(re)が伝わるように、「こういう顧客ファーストな提案を待っていた」と早々に導(dao)(dao)入内定(ding)にまで至(zhi)ったのだ。

インタビュー中の写真

ライトパーソンは方々に潜んでいる。

この共創について社内(nei)論(lun)文にした大平氏が、最(zui)優(you)秀(xiu)賞を受賞したのも象徴的だ。あれだけ正(zheng)論(lun)を振りかざし、多くの敵をつくったのに、だ。

カスタマーを思(si)い、社会のために、本当に価値あるものを届ける。そんな心意気を形(xing)にしようと走(zou)り出せば、共(gong)創ならぬ「共(gong)走(zou)」する仲間たちが現れるのかもしれない。シリコンバレーでも、東京でも、どこでも同じだ。

「半径10mの人(ren)間に嫌(xian)われようとも顧客にとって正(zheng)しいことをブレずに貫き通(tong)していると、組織を超えた志の高い仲間ができる。これが私の考(kao)える"ライトパーソン"であり、その意志は後世に引き継(ji)がれる」(大(da)平氏)

「また今回のSCSK×三井住友海上のようなオープンイノベーションが社内(nei)外のいろんな持(chi)ち場で生まれるのを期(qi)待(dai)しているし、そうさせていきたい。我々のこの火を絶(jue)やさないつもりです」(鈴木氏)

"我々"とは、SCSK×三井住友海(hai)上だけを指すのではない。

あなたも御(yu)社も、私たちも入っているのだ。

集合写真 ※この記事は、2023年2月時点の内容です 資産形成ラウンジ 「エフクリ」詳細ページ